乗越たかおさんのブログでこどもの城の裏に広大な空き地が広がっていることを知りました。突然の閉館発表の裏事情は「再開発」ではないかといろんな方が指摘しています。そこで少し調べてみました。

こどもの城の裏にある空き地は、東京都職員共済組合が運営していた青山病院の跡地です。2008年3月に廃院となりました。所有者は東京都です。土地の広さは約1.7ヘクタール。こどもの城・青山劇場の敷地が9900㎡ですから2倍近い広さがあります。

この跡地計画はどうなっているのでしょうか?

現地に行くと、「住宅展示用地として一時的に貸し付けをおこなう予定」という張り紙がしてありました。その後はどうなるのでしょうか?

東京都都市整備局のHPを見ると、この都有地は、昨年2月に、都市再生ステップアップ・プロジェクトの対象となっています。そして、昨年3月に「渋谷地区ステップアップ・ガイドライン」が発表されています。

冒頭に、「都市再生ステップアップ・プロジェクトは、都有施設の移転・更新等を契機に、複数都誘致の有効活用をおこなうことで、周辺開発の誘発を図る事業である。事業推進に当たっては、地区ごの特徴や課題に対応した誘導目標を設定し、民間の資金力やノウハウを活用したプロジェクトを展開し、周辺のまちづくりの起爆剤としての役割を担うなど、活力と魅力ある東京の実現に向けた都市再生の推進を図るものである」とあります。

具体的には、渋谷地区では、青山病院跡地(1.7ha)、宮下町アパート跡地(0.5ha)、東京都児童会館(0.4ha)の3カ所の都有地を有効活用し、”周辺開発の誘発を図る”とされています。

渋谷ステップアップ・ガイドラインの範囲を見ると、 明治通り、宮益坂、青山通り、表参道に囲まれた約50ヘクタールの範囲となっています。

3つの都有地はもちろんのこと、こどもの城・青山劇場もその範囲に入っています。

どんな開発をするのか?目標のページには、「渋谷・青山・原宿を結ぶ人の流れを創出し、生活文化やファッション産業等の発信拠点を形成」という大見出しがついています。

そして、都有地の誘導目標として次の3つがあげられています。

①ファッション・デザイン等産業、クリエイターの育成・交流・発信施設
②クリエイターなどが魅力を感じる居住空間や、生活を支える商業等の複合施設
③みどりを連ねた開放的な空間や、店舗などの集客施設

3つの都有地のうち、第一弾として、宮下町アパート跡地の再開発が決まり、事業者は公募で東急電鉄を中心とする企業グループになっています。2015年度に地下2階・地上18階建ての複合施設(商業施設、賃貸住宅・地域貢献施設)ができる予定です。ちなみに事業予定は70年間とされており、こどもの城・青山劇場がたった27年間で閉館される異常さを改めて感じます。

残る二つの都有地については、まだ表になっている計画はないようです。

この渋谷ステップアップ・ガイドラインが作られたのは昨年ですので、こどもの城・青山劇場はあることが前提でつくられおり、まちづくりに活用できる地域資源として「こどもの城」もあげられています。

しかし、先月発表されたこどもの城・青山劇場の閉館で、一体の再開発という可能性もあるでしょう。奥まった青山病院跡地は、こどもの城敷地と一体になると、青山通りに面した超一等地になります。ディベロッパーにはうまい話かもしれません。

かりに、うわさで流れているように、隠密に再開発計画があって、それに合わせて、こどもの城・青山劇場の閉館という話になったのだとしたら、これほど利用者・愛用者を馬鹿にした話はありません。

まだまだ使える国民の財産であり、子育てのよりどころであり、文化の発信拠点であるこどもの城・青山劇場・青山円形劇場の閉館は撤回すべきです。

次回の作戦会議は10月13日(土)午後2時30分~ こどもの城前こどもの樹集合です。

渋谷ステップアップ・ガイドラインの対象地域